建物と育ち

1階のコンセプトは「風と音の空間」、従来どおり、開放廊下とすることで、風や雨などの気候を肌で感じ、四季を感じられるようにしています。また、廊下と園庭がつながることで、戸外での楽しい声に誘われ遊びに出たくなるようになっています。
保育室は部屋とトイレをつなげることでトイレを身近にし、落ち着いた空間とすることで自立した排泄ができるようにしています。


  • トイレを身近にし、落ち着いた空間となっています。

  • トイレを身近にし、落ち着いた空間となっています。

また、0・1歳児の保育室には曲線を取り入れ、あたたかみのある照明を大小組み合わせることにより、視覚的にも心やすらぐ空間としています。照明を2種類使いわけることで、学びと遊び、集中と憩いの融合を図っています。


  • 乳児クラス

  • 乳児クラス

  • 幼児クラス

  • 幼児クラス。照明を2種類使い分けています。

また、部屋の中の黒板を廃止して、「高い位置での先生対低い位置での子ども」という保育者主導型の図式を軽減し、みんなで囲んだ家庭的な雰囲気の中で、子どもと先生および子ども同士の距離感を近づけることで、今まで以上にともに考え表現するアクティブラーニングに重きをおき、出来上がりよりその過程や視点をより大切にすることで、子どもたち自身の自己肯定感を育て、非認知的能力の向上、主体的な人格形成に主眼を置いた保育を展開します。

4・5歳児保育室はゆとりの60㎡以上、パーテーションを開けることで以前の遊戯室と同様の広さを確保することができ、横割り保育をしやすくしました。また、遊びの時間に開放することで、遊びのコーナーを充実させ、他のクラス、学年の子どもたちとも自然に関わりが生まれるようにしました。


  • 部屋をつなげて・・・

  • 部屋をつなげて・・・

2階のコンセプトは「光の空間」、保育室の天井を有機的にし、トップライトを設けることで明るく、午前中は道路側の窓から光が射し込み、午後はトップライトと廊下側の窓から光が射し込むことで太陽の動きを感じやすくしています。廊下の窓を大きくとり、影絵やステンドグラスなど陰影を使った光遊びができるようにしています。


  • 光の空間

  • 窓を大きくとり、光遊びができるようにしています。

また、小さいながらも子ども専用のDEN(ねぐら)スペースを作り、隠れ家的な場所で落ち着いて本を読んだりできるようになっています。


  • 子ども専用のDEN(ねぐら)

  • 階段

  • 階段

  • 廊下

  • 廊下

屋内廊下を一歩出ると人工芝に覆われた大きな緑のテラスが広がります。そこでは、1階から生えたシンボルツリーを上から見下ろしたり、ゆったりとねそべってひなたぼっこをしたり、また、0・1歳児の保育室とつながっているので、小さな子へのかかわりが生まれ、いたわりの心も育って欲しいと願っています。


  • 人工芝に覆われた大きな緑のテラス

  • ホール

1階も2階も「中と外の融合」が楽しい作りを目指しました。
1階でも、開放廊下の先には「中の空間」が大きく広がっています。雨が降ってもしっかり遊べるように遊戯室とホールをつなげ開口部を大きくすることで、従来のなかよし広場を超える遊びの空間を作りました。天井からはぶらさがったロープ、壁にはカラフルなクライミングウォール。体全体の筋肉とバランス感覚を刺激し、絵画制作・音楽にも通じる指先の力を鍛え、また、考える力・先を見通す力も育つことを期待しています。


  • 遊戯室

  • 遊戯室

  • クライミングウォール

ホールに隣接する部屋にはたくさんの本が並び、畳の上で靴を脱いで落ち着いた気持ちで絵本を楽しむこともできます。動的な空間と静的な空間を接続させることでその時々に応じて行き来し、互いを意識できる作りとしました。その間にある小さな丘には室内にもかかわらずシンボルツリーがそびえ、緑を感じられるようにもなっています。


  • 畳の上で落ち着いて絵本が楽しめます。

ホールの先にはランチルームと給食室があり、おいしそうなにおいが漂うようにしました。ガラス扉からは給食を作っている様子が見え、調理員の方と接することで食育も意識しています。食器もこども向けデザインは避け、食材や盛り付けを舌で楽しむだけでなく、目でも味わって欲しいと考え選びました。


  • ランチルーム

  • ランチルーム

  • 給食室

  • ガラス扉から給食を作っている様子が見れます。

  • ガラス扉から給食を作っている様子が見れます。

「中と外の融合」は他にもあります。遊戯室からは大きな本物のウッドデッキが広がり、四季折々の草木を眺めながらひなたぼっこができます。春と秋には風と太陽が気持ちいい場所になってくれそうです。
園庭の整備も意識しました。少しでも有機的な場所とするため、子どもの動線や視線を考えながら木々の配置や築山を考えました。自然遊びを充実させたく、どんぐりの木や季節を象徴する花や葉っぱが採取できるもの・食べることができるものを選んでいます。クラス名は園庭の草木と合わせて新しくなりました。まだまだ発展途中で、今後より有機的・立体的な園庭へと進化させたいと思っています。


  • 遊戯室からウッドデッキが広がります。

  • 園庭

  • 園庭

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